「青緑と緑青の違いは?」
この質問に、次のように答える人が多いでしょう。というより、ほとんどの人がそうでしょうね。
「青緑は青っぽい緑」
「緑青は緑っぽい青」
もちろん、間違ってはいません。正解です。ただ、このことから面白いことが分かるんですよ。
人はいかに簡単に洗脳されてしまうのか
ということが。
こう質問されたときに、「青緑」と「緑青」が同じ種類のもの(この場合だったら色の名称ということね)を指していると思い込んでしまうんですよ。「思い込み」などというレベルではなく、自然とそう判断してしまうわけです。
なぜでしょう?
その秘密は、そこにはもっと大きな思い込みが潜んでいるからなんです。
今回の例では、固定観念といえば解りやすいでしょう。
次のようなものです。
「比べる」という場合、
- 似たものや近いもの
- 関連があるもの
を比べますよね。要するに、あまりにもかけ離れたものを比べることには意味がない(コレ自体が思い込み)と思い込んでいるんですよ。
今回、僕が例として出した「緑青」は、「みどりあお」ではなく、「ろくしょう」のこと。銅が酸化することで生成されるあの青緑色の「サビ」のことでした。べつに、カラーパレットの問題を出題したかったわけではないんです。
そもそも、「緑青」を「ろくしょう」と読むことを知らなかった場合には、何のことかさっぱりでしょうが(笑)
でも、あなたは真っ先に緑青を目にしていたんです。
この記事のアイキャッチ画像の『自由の女神』
そうです、自由の女神って銅でできているんです。そして、あの青緑色はサビの緑青(ろくしょう)なんです。
もし、簡単に思い込みをせず冷静にものごとを見ることができる人ばかりだったら、世界がどんなに変わるでしょう。
もちろん、面白みがなくなることは否めませんけどね。
ところで、手前ごとですが僕も普通の人とは違うところに意識がいくんですよ。
なぜ、見た目は青緑色なのに、青緑ではなく「緑青(ろくしょう)」という名がついたのか。
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