「そんなバカな!」
「どうせ目を引くようなタイトルを付けただけだろう」
先日、ハイクラスの宿に泊まったときのことです。
宿に到着すると、まるで若き日の高嶋政伸さんを思わせるベルボーイが、慌てて駆け出してきました。
カウンターの向こうで暇そうにブラブラしている安宿のスタッフと違い、当然笑顔で案内してくれました。
まさに、ハイクラス!
チェックインを済ませ、ていねいに客室まで案内されたあと、いきなりパンケーキとティーセットの用意があると告げられました。
今、ウェルカムドリンクをいただいたばかりだというのに。
さすが、ハイクラス!
その後、ほんの数時間後には夕食の時間になり、食事処に向かいました。
エレベーターを降り入店すると、ぐるりと全面ガラス張りで、見渡す限り夜の海が広がっていました。
まさに絶景としかいいようがありませんでした。
これぞ、ハイクラス!
出てきた料理は、創作フレンチでした。
和食好きの僕でさえ、舌鼓を打つほどの見事な出来でした。
ホールスタッフの目配りもしっかりしていて、料理の出されるタイミングも絶妙でした。
温かいものは温かい内に、冷たいものは冷たい内に。
もてなしの心が伝わってくる配慮がうれしかったですね。
そして、客の好みを重視した心遣いも徹底されていました。
肉の焼き加減はもちろんのこと、サラダのドレッシングやご飯のチョイスまで。
至れり尽くせりとはまさにこのことです。
早くもお腹いっぱいになりだした頃、給仕係がなんと伊勢海老とアワビを持ってくるではないですか!
メインを待たずして、すでにお腹もいっぱいになってきていた僕たちは、正直面食らってしまいました。
若い頃に比べ、かなり少食になったこともありますが、常人でもかなりの分量が用意されていました。
「お客様。こちらにご用意しましたお品ですが、いずれもお刺身、もしくはソテーでお召し上がりいただけまして、もちろん焼き方もお好みでお選びいただけますが、おつけしましょうか」
ほろ酔い気分でおぼろげに給仕係の説明を聞いていた僕は、ある言葉に反応して、一気に目が覚めてしまいました。
その言葉とは、
「おつけしましょうか?」です。
「は?」
まさに、鳩が豆鉄砲を食らった表情をしているのではないかと思うほど、呆気にとられました。
オプションなの?
5千円だって?
そりゃあ、安いしお得だとは思うけど、はじめに言ってくれなきゃ困るよ。
期待しちゃったじゃないの。
実際は、お腹がいっぱいだったということで、被害は小さかったのですが、もしこれが空腹だったりしたらどうなることやら(笑)
このように、あることに反応し何かしらの感情が湧いたものの、それが実際には事実と異なっていたなどということがあります。
A「こんなにすごい献立なのに、さらにアワビと伊勢海老も出てくるの」
B「なんだ、追加料金が必要なのか」
ここで、考えてみてください。
A、Bそれぞれの時点で感じたことがありますよね。
たとえば、
- Aで「さらにアワビと伊勢海老まで。これはスゴイ!」
- Bで「なんだ、違ったのか。がっかりだな」
と感じたとしましょう。
Bの時点では喜びなどなくなっていますが、Aで喜んだときのことは消えてなくなったのでしょうか?
完全に帳消し、つまり、はじめからその経験をしなかった人と同じ状態になりますか?
無料でアワビと伊勢海老までいただくという出来事自体はなくなりましたが、一度湧いた喜びまでは消えません。
どうやっても無理ですよね。瞬時に直前の記憶を消すようなものですから。
ということは、
Aの時点での感情は、本当にアワビと伊勢海老を食べられた人とまったく同じもの
ということになります。
Bの時点で、
「あ、このあと実際にはオプションだと気づくんだから、喜ぶのはそこそこにしておこう」
などと変化したりはしないのです。
さらにくわしくいえば、
ある感情が、事実と異なったものに対してのものだったと気づいたとしても、過去にさかのぼり変化したりはしないということです。
結局、伊勢海老やアワビを食べられたかどうかなど何の関係もないのです。
どちらの場合も同じ感情を抱き、その後その感情が変化したりしません。
ですから次のようにいえるわけです。
事実はあなたの人生に何の影響も及ぼしていない
その事実があなたの人生を決めているのではありません。すべて、あなたがどう感じ、どう判断したのかにより決まっているのです。
ということから、次のことが証明されるのです。
人生は自分でつくっている
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