よくあるシーンを思い浮かべてください。
あなたが車を運転していると、ウインカーもなしにいきなり割り込まれた。
運転経験がある方なら、誰しもこんな目に遭ったことがあることでしょう。それほど、よくあることです。
では、このときの反応で最も多いのは何でしょう。
「危ねえな!」
で間違いないでしょうね。
では、この自然な反応の理由はといえば、当然「ヒヤッとさせられたから」でしょう。
ただ、本当に危なかったのかのでしょうか。結果的に事故が起こらなかったということは、その割り込み自体がなかった場合と大して変わりありません。
違うのは、「ヒヤッとさせられたか、そうでなかったか」ということだけなのです。
これが、タイトルでいうところの「思い込みの原因」になっているのです。
要するにこういうことです。
ヒヤッとさせられた→危なかった→悪意があった→怒る
それで間違いなさそうですが、もしヒヤッとさせられなかったらどうでしょう。
あまり現実的ではありませんが、ちょうど居眠り運転をしていて、割り込まれたことに気づきもしなかったらどうでしょう。ふと気づくと、前を走る車の色も形も変わっていて驚いた。などということになりはしませんか。
このとき、その前を走る車のドライバーがしたこと自体は何も変わりません。なのに、あなたの反応は「怒り」ではなく「驚き」になるわけです。
もう、お解りでしょう。こんな場合、そのドライバーの行為に意味づけをしているのはあなただということ。だって、人を怒らせること、驚かすことのいずれだったのかを、当人に確認したわけではありませんよね。
今のような冷静なときによく考えておくのです。
割り込みと決めつけているのは自分。他にもいくらでも可能性があるのに、それに気づかないのも自分。
そのドライバーが
- ゆとりがないやつだった
- 運転が下手なやつだった
- 考えごとをしていた
- ボーっとしていた
- 見ず知らずのあなたに悪意を持っていた
いかがですか。可能性の大きい順に並べてみましたが。
今あなたが口をあんぐりと開けているとしたら、それは「最も可能性が小さいものを、ついつい選択している」という気づきを得たからに違いありません。
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