「空腹はなぜいいか?」 1.人間はもともと空腹に強くできている

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空腹時に健康と生命を保つ

人間が過食に弱いのは、人類のこれまでの歴史からも明らかです。人類300万年の歴史は、ある意味空腹の歴史だったのです。洪水や日照り、火事、地震などの天変地異により食糧が不足し、ほとんどの期間を飢えとの戦いの中で過ごしてきたと言っても過言ではありません。そして筆者はこの本の冒頭で空腹がなぜいいのかということをシンプルに説明しています。

食料が不足して空腹になり、低血糖状態(ふらつき、手の震え、ボーっとした感覚、失神…)に陥ったときに、血糖を上げるホルモンはアドレナリン、ノルアドレナリン、グルカゴン、サイロキシン、成長ホルモン…などなど、10種類くらい存在します。

しかし逆に、食べ過ぎで血糖が上昇した後に、血糖を下げるホルモンは、なんとインスリンひとつしかありません。よって我々人間の体は空腹には慣れており、空腹の時に健康と生命を保つ術を十分に知っているわけです。

しかし、現代文明人は、食べ過ぎに運動不足や筋肉労働不足が加わり、余分な糖、中性脂肪、コレステロールなどの栄養過剰物、さらには尿酸や乳酸などの老廃物が血液中に充満しています。けれども、そうした余剰物、老廃物を処理する能力が十分に私たちに備わっていません。

それで、高血糖(糖尿病)、高脂血症(肥満、脂肪肝、動脈硬化、ひいては高血圧、脳梗塞、心筋梗塞)、痛風などの「食べ過ぎ病=生活習慣病」にかかり、もがき苦しんでいるというのが現状です。

食べ過ぎや栄養過剰は、ガンやリウマチ、潰瘍性大腸炎、クローン病、種々の皮膚病などの免疫異常の疾患から、婦人病や不妊症などに至るまで、じつにさまざまな病気の誘引になるという研究結果も多く出されています。

さて、いかがでしょうか?
なぜ空腹がいいのか、逆になぜ食べ過ぎがよくないのかということが、とても明確にわかります。

歴史を考えても人間の体の設計を考えても私たちは空腹を前提に作られている。そしてその前提を覆すような飽食の時代に私たちは生きているんだと。しかし私たちの体は、食べ過ぎることに対して適用できない。だから私たちは食べ過ぎることによって様々な病気が発生してしまうのです。

ではもう少し詳しく解説していきましょう。

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